あの日を思い出して。

諦めの悪い方です。ゆっくりやっていこう

古びた映画館

隣に座るあなたの手のひらが、辺り一面知らない都会の人だらけでも

気負うことなく席に着いて、物語の世界に没頭できた

感動の話・楽しい話・怖い話・難しすぎて眠たい話

あなたと手を繋いで映画を見ている時間が、唯一の睡眠時間だった

何も考えなくていい、安心して背もたれやその肩に身を預けていられる

 

映画館は常に適温で薄暗く柔らかい

そこにあなたの温かさや甘いにおい、頬に少し触れる呼吸や腕の重みが

まどろみからほんの少し覚める時に感じられて

「一人じゃない」と確認してまた深い眠りにつく

 

あなたの唇から伝わる熱い気持ちが、伝わらないわけない

 

私の心の器が未完成だっただけ

あなたは何も間違っていないし変でもない

私が未熟だったから、鼓動も呼吸も不規則になり熱にうなされたように涙ぐみ

下腹部はうねるように収縮しあふれ出す

必死で耐えるうちに頭痛と吐き気がして、叫びたくなって