不器用な目
どこを見ていいのかわからなくて
向かい合わせの君を見ないでおこうと思って
その向こう側をぼんやり見ている
焦点はもちろん君に合わせているよ
食事を運んでいる店員さん
シャッター
街路樹
扉
スーパーのお酒のコーナー
住宅街
いちゃつくカップル
赤いソファ
天井
スクリーン
そんなものが見えてたけど
大体そこには笑顔の君がいる
怖いのは離れることじゃなくて
失うことだったと思う
同じ方向を見ているときは
同じものが見えていたのかな
歩きやすい夜道
雨の中の歩道
窓の向こうの天気
虹のかかった夕方
カラオケのモニター
明け方の商店街
スクリーン
非常階段
命があれば終わりなんてないんだと思う
視線を合わせるのが苦手なのは
目が合った時に私の内側を見透かされそうで
下手なくせに逃げたり隠れたりしてばかり
恥ずかしがり屋の本質は変えられないと思って
一人で少し笑った
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重複。